
コラム
潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数は増えている?日本と世界の推移を解説
潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数は年々増加しています
潰瘍性大腸炎、クローン病の患者数の推移について解説します。
近年、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者数は急速に増加しています。この傾向は日本だけでなく、欧米諸国を含む海外でもみられています。
では、現在どのような状況になっているのでしょうか。
日本における潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数の推移

上記図に示したのは、日本における潰瘍性大腸炎とクローン病の患者数を、難病手帳(特定医療費受給者証)を持つ患者さんの数をもとに作成したものです。
平成26年をピークに患者数が減少しているように見えますが、これは難病法の成立によって、軽症の患者さんが難病手帳を取得しにくくなったことが背景にあります。
そのため、実際の患者数自体は増え続けていると考えられています。
最新の統計では40万人を超える患者数に
最新の統計では、潰瘍性大腸炎の患者数は31.6万人、クローン病の患者数は9.5万人とされており、両者を合わせると40万人を超えています。
ちなみに、私が専門外来を担当している戸畑共立病院でも、下記図のように患者さんの数は2.5倍に増えています。

日本とアメリカを比較すると患者数の増え方に違いがみられます
本邦の患者数の増え方は、他国と比較するとどうなのでしょうか。
参考になるのが、IBDの患者数が多いアメリカとの比較です。

こちらでは、2010年から約10年間における10万人あたりの患者数(有病率)と、1年間に発症する患者数(発症率)を比較しています。
有病率・発症率はアメリカが高水準
有病率、発症率ともに、アメリカは本邦より2倍以上高い水準にあります。
しかし、10年間の推移をみると、アメリカの有病率が約1.5倍の増加であるのに対し、日本は約20倍に伸びています。
また、発症率についても、アメリカはほぼ横ばいである一方、日本では有病率と同様に約20倍に増加しています。
日本ではこの10年で急速に患者数が増加
このように、日本ではこの10年でアメリカに近づくような形で、IBD患者数が急激に増えていることがわかります。
世界的にみてもIBD患者数は増加しています
では、世界全体ではどのような状況なのでしょうか。
下記図の世界地図では、発症率と有病率の状況が色分けされています。

- 紫色:発症率・有病率ともに低い地域
- オレンジ色:発症率が急速に上昇している一方で、有病率はまだ低い地域
- 緑色:発症率は減速・停滞しているものの、有病率は着実に増加している地域
地域ごとの特徴
アフリカ地域などは紫色に分類され、患者数の増加は目立ちません。
一方で、ロシア、中国、南米では患者数が急速に増加しており、日本もこれらの地域に含まれます。
そしてアメリカやヨーロッパでは、患者数が高水準のまま推移しています。
今後も潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数は増える可能性があります
では、今後患者数はどのように推移していくのでしょうか。
下記図は、スコットランド、カナダ、デンマークにおける2043年までの有病率をモデル化したグラフです。

2025年のデンマークでは、有病率が1%を超えるとされています。
これは、100人に1人の割合でIBDの患者さんがいることを意味します。
日本も今後、少しずつこの数字に近づいていく可能性があります。
まとめ|潰瘍性大腸炎・クローン病の患者数増加は世界的な流れです
このように、世界的にみても潰瘍性大腸炎やクローン病を含むIBDの患者数は増加しています。
日本でも患者数は年々増えており、今後さらに増加していく可能性があります。
では、なぜここまで患者数が増えているのでしょうか。
次回のコラムでは、潰瘍性大腸炎・クローン病を含むIBDの患者数が増加している理由について解説したいと思います。
福岡市東区香住ケ丘の「さけみ内科・内視鏡IBDクリニック」
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