
コラム
腸-脳相関(gut-brain axis)とは?炎症性腸疾患と心の状態の深い関係について
先日参加した学会のモーニングセミナーで「腸-脳相関(gut-brain axis)」について学ぶ機会がありました。
腸と脳はどのように関係しているのか、炎症性腸疾患や免疫とのつながりについて分かりやすく解説します。
腸-脳相関(gut-brain axis)とは何か?
腸-脳相関(gut-brain axis)という言葉をご存知でしょうか?
先日参加しました学会のモーニングセミナーにおいて腸-脳相関について勉強をさせて頂きました。
試験や大事な仕事の直前など過度なストレスがかかるとお腹が痛くなる、下痢をしてしまうなどのお腹の不調を起こしてしまう。
またお腹の調子が悪くなると気分が落ちてしまう。そんな経験はありませんでしょうか?
まさにこれが腸-脳相関です。
腸と脳は密に関連している、これを科学的にきちんと証明された講演を聞かせて頂き、朝から興奮気味に夢中で聞き入ってしまいました。
腸と脳をつなぐ仕組み ― 腸内細菌・免疫・自律神経の働き
腸-脳相関は腸内細菌、腸の中に存在する神経、免疫細胞、それを繋ぐ自律神経、消化管ホルモンによって成り立っています。
これによって私たちは腸内の環境を整え、維持することができています。
制御性T細胞(Treg)と炎症性腸疾患の関係
腸内環境を維持するための方法の一つとして免疫細胞が過剰に反応しない様に監視がされています。
その監視の役割を担っているのが制御性T細胞(Treg)です。(Tregを発見したことで坂口志文先生はノーベル賞を受賞されました)
このTregを含めて腸内の免疫寛容の破綻が起きると炎症性腸疾患を発症するのではないかと考えられています。
そういった点からもTregはとても重要な細胞です。
扁桃体の働きと腸内免疫の新たな可能性
このTregは腸内細菌によって誘導されますが、実は脳によってもコントロールされているのではないかと考えられているのです。
脳 (扁桃体) が活性化されると腸内のTregが増えることが示されました。
Tregが増えることは腸の炎症を抑制することにも繋がります。
ヨガ・運動・マインドフルネスは腸にも影響する?
脳 (扁桃体) を活性化、調整させる方法としてヨガや鍼灸、運動、マインドフルネス、食事、音楽などがあるかもしれません。
個人によって異なると思いますので、これをすると調子が良くなるなと思える方法を見つけてみるのも良いかもしれません。
これをすると調子が良くなるな・・・実はこれもとても大事です。
プラセボ効果・ノセボ効果と腸-脳相関
どんなに良い薬でも効かないだろうと思って服用すると効果を示さない。
これをノセボ効果と言います。逆に偽物の薬でも効くと思って服用すると効果を示すことがある。これをプラセボ効果と言います。
つまり脳によって効果が左右されることがあるのです。
炎症性腸疾患治療において大切な「信頼関係」
この様な効果を考えると炎症性腸疾患のお薬はたくさんありますが、治療効果を最大にするためには脳を良い状態にしておくことも大事なのかもしれません。
そのためには医療者と患者さんが良い信頼関係にあることがとても大切なことですと講演の最後に述べられていました。
昔から言われている医療者と患者さんの良好な関係の大切さを科学によって再度示して頂いた、本当に貴重な講演であったと思います。
多くの患者さんと医療者が同じ絵を描きながら治療目標に向かって歩み、目標が達成されることを心より願っています。
福岡市東区香住ケ丘の「酒見内科胃腸科」

福岡市東区香住ケ丘の「酒見内科胃腸科」は、一般内科から消化器疾患の専門医療まで幅広く診療しています。
地域に根ざした「かかりつけのクリニック」でありながら、消化器疾患において専門の医療を必要とする方の受け皿としても対応し、さまざまな患者さんの健康と向き合ってまいります。
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酒見内科胃腸科
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